俺の嫁になれ~一途な御曹司の強すぎる独占愛~
このままでは桜井が潰れる。
問題の社長令嬢にお灸を据えなくてはな。
ホント迷惑な女。
取引先の社長令嬢と言えども、大塚さんの振る舞いは目に余る。
彼女がいては社員の士気が下がってしまう。
大塚さんを注意して取引先との関係が悪化するのなら、そことのビジネスもそれまでだ。
しっかり働く社員を守る方が大事。
大塚さんの歓迎会が終わると、彼女と一緒に焼肉屋を出た。
見通しの良い場所まで行き、手をあげてタクシーを拾う。
「乗って」
大塚さんを促してスーツの内ポケットから財布を取ると、万札を一枚抜いてタクシーの運転手に手渡した。
「じゃあ、お疲れ」
軽く手をあげて挨拶すれば、彼女は慌てた。
「え?直人さんは乗らないんですか?」
「君は酔っていないし、明らかに酔っ払ってるのが他にいるから」
素っ気なく答えるが、彼女は俺の腕を掴んで食い下がる。
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