俺の嫁になれ~一途な御曹司の強すぎる独占愛~
「私酔ってます。だから送って……‼︎」
「はっきり言って迷惑なんだけど」
大塚さんの言葉を遮り、その手を払いのけると、強い口調で言い放った。
「直人……さん?」
「その呼び方もやめて欲しい。俺の婚約者でも恋人でもないだろ?」
冷ややかな視線を向ければ、彼女は怯んだ。
「あの……でも……」
「嘘つきで怠け者の女を相手するほど、俺は暇じゃない」
容赦なく告げれば、彼女はおどおどした様子で俺を見た。
多分、ここまでこっ酷く人に言われた経験がないのだろう。
何の苦労も知らず、甘やかされて育ったお嬢様。
金にものを言わせて何でも手に入れようとする俺の一番嫌いなタイプの女だ。
だが、これで彼女も少しは思い知ったはず。
「行って下さい」
運転手に声をかけ、タクシーを見送りもせずに店に戻る。
すると、桜井と後藤が店からちょうど出て来た。
「桜井さん、大丈夫ですか?僕、送って行きますよ。家はどこですか?」
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