☆君との約束
「陽向、莉華さんを困らせるのをやめなさい」
「じゃあ、早く話を終わらせてよ」
「少しくらい待てないの?」
「無理」
待てるなら、こんなに結婚も急がない。
「全く……ほんと、似なくていいところばっかり、陽介に似ちゃって。莉華さん、良いの?本当に?陽向と結婚して、あなたは後悔しない?」
「ちょっと、何聞くのさ。失礼な」
幸せにするといったからには、絶対に幸せにする。
「それは……どうでしょう」
「莉華?」
「あ、陽向を信用してないんじゃないよ?」
莉華は母さんの言葉にしばらく悩むと、
「後悔しないかどうかは、未来の私に聞かないとわかりません。もしかしたら、陽向が浮気ばっかりする人になってるかもだし」
とか、言う。
「それはない」
俺は勿論、否定した。
他の女には手を出すほどの興味なんて、毛頭ない。
「分からないじゃない。未来は"未知”なんだから」
「……」
「だから、後悔しないかどうかはわかりません。でも、今の私が陽向といたいんです。だから……」
ああ、やっぱり。
「……2人が相思相愛なのはわかったわ」
俺が彼女を抱きしめると、母さんは呆れたようにため息をついて。
「陽向は莉華さんにベタ惚れね」
「当然」
可愛くて仕方がない。