生意気オオカミの虜

凛にはこう返事した。

大丈夫!と、一言だけ。

高3男子を甘やかしてはならぬ。



「 美世、誰かイケメンいない?」

「 いない! だいたい泉沢兄弟がそばにいるあんたが気に入る男がいるとでも?」

「 意味不明。頼たちは関係ないし 」



そりゃあ誰でもいいってわけじゃない。

私にも好みがある。

適当はダメ。

ちゃんと恋ができる人がいい。



「 彼氏の友達あんまりいいのいないんだよね~ あ!ねぇ バイト先で誰かに聞いてみたら?美容師だもん、お洒落じゃん 」

「 あ~ そうだね、うん、聞いてみる 」



ふと、太陽さんが浮かぶ。

さすがに太陽さんはダメだろうが、太陽さんの友達やバイト仲間に聞いてみよう。



「 あ、また凛だ 」

「 今度は何?」

「 マジで痛いって怒りマークついてる、可愛いおバカさん 」

「 ……羽奈、高3男子も立派な男だよ、あんまり可愛い可愛いって舐めてるとやられるよ 」



可愛いものは可愛い。

舐めてなんてないし、凛だもん。

まぁキスはされたけど……

それにキスマーク、許さないんだから。


< 37 / 120 >

この作品をシェア

pagetop