生意気オオカミの虜
長所、短所を見て気づいて、それすら私の一部だと理解してくれる男はどこだ?
「 ほら羽奈、お茶して帰ろ 」
「 ん~ 私バイトだもん 」
「 あ、そっか。じゃまたねー 」
美世は千草を誘い先に教室から出た。
その入れ違いに頼がそばへと来て、にっこり笑顔にムスッとなる私。
「 羽奈、羽ー奈~ よし、行くか 」
そう言って頼が私と手を繋いだ。
なんだこれは、と手をブンブン振って離そうとしてみたが頼は私を見てニコニコ。
「 頼、なんか違う 」
「 俺ら恋人だろ、この広い敷地内では 」
「 あ~ ほんとだぁ、私としたことがどうでもいいとか思ってた~ 」
「 バカな羽奈も可愛いよ 」
う~…… 寒気が。
頼は私を好きだと思う、産まれて一緒に過ごした仲だから。
でもお互いに恋じゃない。
「 羽奈、楽しもうぜ 」
「 あんたは楽しそうだよね 」
「 ほら、手を繋いで嬉しいって顔で歩け 」
命令するな、バカ。
周りに誤解されて何を楽しめと?
ん?
この手…… あれ、こんな大きかった?
「 頼、男のくせに綺麗な手してるね 」
「 ああ、お前よりはな 」
……いちいちムカつくわ~!