生意気オオカミの虜
美世とその隣に千草。
ニヤニヤが止まらない私の緩んだ顔。
呆れる二人が私を呼ぶ。
「 え、何… え?」
「 彼氏、あんたの彼氏登場だって 」
「 頼… 」
「 なんかもうムダにいい男だね~ 」
「 千草、彼氏欲しいんでしょ 」
美世は彼氏がいて千草はいない。
私は?
いないのにいるフリ、頼が彼氏だから。
痛い視線は相変わらずで、頼は何も気にせずに会いに来る。
「 羽奈、ちょっといい?」
「 はいはい 」
頼の隣に並ぶだけで変にざわつく女たち。
もはやタメ息しかない。
頼は凛の事を謝ってきた。
寝てる間に凛が勝手に行ってしまったらしいと、行くところは私だとわかっている分、安心していたと。
「 なぁ羽奈、凛は本気も本気だから何するかわかんないぞ 」
「 何、どういうこと?」
「 凛はちゃんと男だって事、わかるだろ 」
あ。
それ、ね…… そういう事ね。
私が少し俯くと、頼は突然私の手を握り早歩きし出した。
「 頼?」