副社長と恋のような恋を
私の説明が終わり、最初に口を開いたのは村田先輩だった。
「私はタイムスリップものがいいです。こういうウェブで期間限定公開される恋愛小説って、女性主人公が多いと思うんです。だから男性が主人公っていうのはおもしろいと思います」
すると山岸さんが「俺は」と話しはじめる。また、白熱するのだろうか、この二人は。
「俺も村田さんとは別の理由ですけど、このタイムスリップものがいいです。今回の腕時計のデザインはオープンハートじゃないですか。中のゼンマイがカチカチ動く姿と、元の世界に戻れるか戻らないかのっていう瀬戸際の感覚がシンクロするように思うんです。これは商品の魅力を伝えるのに適した内容だと思います」
二人の意見がまとまっている。絶対に白熱すると思っていたから、拍子抜けした。
隣に座る小野さんがタブレット端末を熱心に見ていた。そしてなにかを書いている。どうしたんだろう。もしかして、どれもつまらなくて選べない。いい案が浮かんだのだろうか。
そう思っていると、小野さんがおもむろに手を挙げた。
「あの、最後の結末をツーパターン書いてもらうことってできませんか」
小野さんは自分のスケッチブックをみんなに見せるように立てた。
「私はタイムスリップものがいいです。こういうウェブで期間限定公開される恋愛小説って、女性主人公が多いと思うんです。だから男性が主人公っていうのはおもしろいと思います」
すると山岸さんが「俺は」と話しはじめる。また、白熱するのだろうか、この二人は。
「俺も村田さんとは別の理由ですけど、このタイムスリップものがいいです。今回の腕時計のデザインはオープンハートじゃないですか。中のゼンマイがカチカチ動く姿と、元の世界に戻れるか戻らないかのっていう瀬戸際の感覚がシンクロするように思うんです。これは商品の魅力を伝えるのに適した内容だと思います」
二人の意見がまとまっている。絶対に白熱すると思っていたから、拍子抜けした。
隣に座る小野さんがタブレット端末を熱心に見ていた。そしてなにかを書いている。どうしたんだろう。もしかして、どれもつまらなくて選べない。いい案が浮かんだのだろうか。
そう思っていると、小野さんがおもむろに手を挙げた。
「あの、最後の結末をツーパターン書いてもらうことってできませんか」
小野さんは自分のスケッチブックをみんなに見せるように立てた。