副社長と恋のような恋を
「もう、そんなに見ないでください」

「なに照れてるの」

「寝起きの顔なんて見られたくないんです。髪はボサボサだし、顔だって洗ってないし」

 副社長を私の体を腕の中に閉じ込める。

「昨日はすてきな抱き枕が隣にずっといてくれたおかげでよく眠れたよ。ありがとう」

「どういたしまして」

 副社長は私の頭を勢いよくガシガシと撫でた。私たちは笑いながら、ベッドの上をゴロゴロとしていた。

「さて、せっかくの休みなんだし、出かけよう」

 勢いよく起き上がった副社長は、ベッドから下りた。私も体を起こすと、副社長に腕をつかまれた。体を引っ張られ、気がつけば副社長の腕の中にいる。

「朝ご飯を食べたら出かけよう」

「はい」

 私たちは朝ご飯を作って、出かける準備をすることにした。

 朝ご飯は一緒に作った。調理器具が揃っているだけあって、予想通り副社長は料理もうまかった。ここまで来ると、村田先輩が音痴であってほしいという気持ちもわからないでもない気がした。

 朝ご飯を食べ、いったん私のアパートへ送ってもらった。着替えを持たずに泊まったから、服は昨日と同じもの。近くに車を止めてもらって、急いで着替えを済ませた。

「お待たせしました」

 車に戻ると、副社長はスマホをいじっていた。
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