副社長と恋のような恋を
 地下鉄と電車を乗り継ぎ、目的の駅まで到着した。駅から歩いて十分のところにカレー専門店がある。人通りの多い大通りを歩き、カレー専門店が見えてきた。

 お店の前に到着し、ドアを開けた。するとスパイシーな香りが広がった。

 店内を見回すと、店内のおくのほうに置かれている観葉植物が目についた。それの隣にある席に副社長が本を読んで座っていた。

「明人さん」

 声をかけると、読んでいた本を閉じて顔を上げた。

「お疲れさま」

「お疲れさまです」

 私は副社長の向かいに座った。

「もう、なにか頼んだ?」

「いや。麻衣が来てから頼もうと思って」

 テーブルに置いてあったメニューを取り、適当にメニューをめくった。

「今日、昼抜きだったからお腹空いてて、サイド多めに頼んでもいいかな?」

 メニューから顔を上げると、副社長はメニューをかじりつくように見ていた。

「いいですよ。なににする? フライドチキンとか、サラダとか?」

「フライドチキン頼もう。あと、鳥のバーブ焼き?」

「鳥のハーブ焼き、美味しそうだね。それにしよう」

 メニューの注文を終えると、副社長は疲れたと言った。副社長はあまり弱音を言わない人だから、よっぽど疲れたんだろう。
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