副社長と恋のような恋を
「確かにそれは大事ですね」と森本さんが言った。

「今日の夜、予定が空いていない人いますか?」

 みんな、口々に大丈夫ですよ、空いてますよと言った。

「どこで集まりますか?」

 小野さんが言うと、村田先輩がそれは大丈夫と言って山岸さんの肩に手を置いた。

「山岸の実家は酒屋と居酒屋を経営していて、安くて美味しいお酒がいっぱい飲めるのよ。私、常連」

 山岸さんは少し頬を赤らめて、よければ来てくださいと言った。

「じゃあ、そこにしましょう」と小野さんは言って、立ち上がった。

「すみません、次の会議が始まるんで失礼します。場所は社内メールで送ってもらえますか」

「わかりました。皆さんにもメールで送りますね。あの、副社長はどうしましょうか?」

 そこでみんなが黙った。呼んでいいものか、悪いものか、難しいところだ。

「一応秘書の方にメールをしてみては。予定があればそっちを優先するだろうし。連絡だけはしておくのがベストかと」

 私の言葉に、村田先輩がそうだよねと言い、ほかの人たちも納得しているようだった。

 親睦会のことも決まり、すぐに解散となった。営業部に戻ると、いろいろな人にどんな感じの会議だったと聞かれた。

「普通の会議です」
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