絶対に守るから。
俺の言葉に安心して笑う彼女はいつも通りの優しさで溢れていた。どんな時も一緒にいるという言葉が彼女にどれだけの安心を与えてくれているのかは分からないけれど、少しでも役に立っているのなら本望だろう。

「本当にやるのか、舞踏会」

「怖い?」

させてはあげたいんだ。沈んで緊迫した空気の今だからこそ、息抜きになるような何かをさせてあげたい。でも、舞踏会なんて他所から人が集まるような事をしてもし何かあったらと不安なんだ。
自分が信じられないのかと怒るわけでもない。俺を責めるわけでもない。実行するのが怖いのかと訊いてくれる性格だから、俺は彼女に執着してしまっているのだろう。彼女が訊いてくれるから否定も同意もしやすい。そばにいやすいんだ。
< 114 / 270 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop