絶対に守るから。
今、向かっているのは城から歩いて2ヶ月くらいで着けるヘゥインの知り合いの家。舞踏会が終わってすぐ出てきたからもうそろそろ着いても良い頃だった。でも、もうそろそろだと思った辺りから山道が険しくなっていて人の通る道ではなくなっていった。

「どんなにひどい状況になっても耐えられる自信がある人だけ着いてきて」

急にヘゥインが止まった。俯いていた顔を上げると大きな屋敷が不気味に光っていた。ヘゥインと一緒に住んでいた家よりも小さかったけれど、国の中ではきっと大きい方なんだと思う。城に寄せた外見をしていたから。
ヘゥインの言葉に拒否る人も言葉に従って残る人もいなかった。勝手に開いた大きな扉を皆で進み、犯人のいる建物へ皆で入ったんだ。でも、俺は怖かった。残らなかったのもヘゥインと離れて待っているのが嫌だったから。
< 123 / 270 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop