絶対に守るから。
また、怖がっているのは俺だけで他の皆は不安すら感じていないんだろうなって。自分だけが脆く見えて、震えている体が嫌いだった。震えている部位を切り落として見えなくしてしまいたくもなった。でも、ハウラムも怖かったんだって手を置いた場所で分かった。
ヘゥインから聞いた事がある。ハウラムは恐怖や不安を掻き消そうとして周りに牙を向くんだって。牙は言葉の時もあれば武器の時もあるって。つまり、すぐに攻撃が出来るように武器に手を添えているのはハウラムが恐怖か不安を感じている証拠。怖がっているのは俺だけじゃないという証拠なんだ。
突き当たりの階段の前まで行くと、窓だと思っていた扉が鈍い音を立てながらゆっくりと開き始めた。振動が伝わり、ひびが入って割れ始めるガラス。パラパラと落ちてくるガラスの破片が危ないはずなのに、ガラスの破片が照らすヘゥインの姿が綺麗で目が離せなかった。
< 125 / 270 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop