絶対に守るから。
六章・待ち人

さぁ、おいで

死ぬのなんて怖くはない。心臓が止まるまでのほんの少しの時間が苦しいだけ。意識が無くなるまでの時間が辛いだけ。何にも怖い事なんてない。少し苦しいだけさ。それをなぜ彼女は分かってくれないのだろう。
どうして彼女は僕のために死ぬ事を喜んでくれないのだろう。他の女たちは皆、喜んで僕のために死んでいった。男でも女のように美しい者は僕のために喜んで死んでいった。
本当ならリオディナというエルフも僕のために殺しても良かった。けれど、僕が本当に求めているのは僕のために死ねるほどの大きな愛。彼女から僕に贈る大きな愛さ。けれど、彼女は僕のために死にたくないと言った。だから、リオディナというエルフは彼女を誘き出す囮に使わせてもらった。屋敷の子供たちも、近くにいた人間もね。
もちろん、リオディナというエルフは僕のために死んでもらうつもりだ。でも、殺すのは彼女が僕の物になってからね。
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