絶対に守るから。

彼女と一緒にいる吸血鬼に手を出さなければ、彼女は僕を好きになってくれる。僕だけを見てくれるようになる。吸血鬼を殺すのは彼女が僕のために死んでくれるようになってからだ。
考えただけで楽しくなる。僕の屋敷で彼女と一緒に暮らしていく。僕の夢が実現する日は遠くない。でも、ハウラムだけは俺の夢に邪魔な存在。エレナードやゾーラは彼女が決めさえすれば口を挟んで来ないだろう。けれど、ハウラムだけは違う。彼女がどう考えようと自分の信念に反していれば逆らってくる。きっとどんな強力な魔法を使って彼女を惚れさせても、絶対に魔法を解いてくるだろう。僕に惚れる事が彼女の意思だとしても、ハウラムは絶対に意思を崩しにやって来る。そして、ちゃんと彼女の意思を崩して一緒に帰っていくんだ。

「相変わらず趣味悪いのね」

彼女は一人で僕の前に現れた。