絶対に守るから。

彼女が生きている事しか望んでいなかった。なのに、ゾーラ医師やカーレイジとも他人とは違う愛が芽生え始めて。
欲張り過ぎてしまったのだろうか。それとも、俺は彼女を愛する事さえ許されていなかったのだろうか。
俺は誰にも刺されていないはずなのに、体から血も出ていないのに。なのに、まるで剣にでも刺されたような鋭くて鈍い痛みが腹部から全身に広がっていた。この痛みは剣だけではない。毒か。結構強めの毒が塗られた大きな刃物か。
痛みのあまり、その場に倒れ込んでしまったが俺自身の痛みじゃない。彼女に死んでしまうほどの傷や症状が出た時に出てくる、彼女の痛みが俺に流れ込んできた物。危ないのは俺じゃなく彼女なんだ。彼女が何者かに猛毒の塗られた刃物で腹部を刺されたんだ。

「エレナード！？」

「違・・・う・・・っ。おじょ・・・っさ・・・だ・・・っ！」