絶対に守るから。

魔女は外の世界が本当に崩れ始めているという事だけを伝えて部屋から出ていった。俺たちも本当は知っているんだ。彼女を頼って色んな者がこの家に来ていて、色んな者が彼女の目覚める時を待っているという事を。けれど、俺たちは本当に何も出来ないんだ。
ゾーラ医師の手紙を見返した時、知ってしまった。ゾーラ医師の教えてくれた愛で治す方法は家族愛の事で俺やエレナードのように恋愛感情で芽生えた愛でも友情で芽生えた愛でも無いって事を知ってしまった。彼女の血縁者はもうどこを探しても見付からないいんだ。

「ヘゥイン。俺な？ずっと思ってたんだ。こんな日が来るんじゃないかって。ヘゥインが眠り続ける日が来るんじゃないかって」

どこか楽し気に笑っているカーレイジの姿があった。彼女は眠り続け、笑える要素なんて一つもないはずなのにどうして笑えるのか。悲しみのあまり、狂ってしまったのではないかと思いもした。