絶対に守るから。
エレナードが珍しく涙を流しながら魔女の言葉を止めた。驚いて固まってしまった魔女を見向きもせず、エレナードは涙を流したままヘゥインを見つめていた。

「カーレイジの前ではやめてくれ。俺たちも他に方法があるなら知りたいんだ。ゾーラ医師が残していってくれた方法もいつ効果が表れるのか分からない。・・・頼むから俺たちの事は放っておいてくれ・・・っ！」

「私だって言いたくて言っている訳じゃないわよ・・・」

跪き、彼女の手を握り締めたエレナードはもう誰の心配をしているのか分からなかった。眠っていても彼女が聞いているかもしれないと心配しているのかと思ったら、カーレイジに聞かせないでくれと魔女に頼んでいる。カーレイジの事が心配なのかと思えば、理性が飛びそうになっている自分の心を守るかのように声を絞り出して俺たちを放っておいてほしいと頼む。
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