絶対に守るから。
本人の気持ちとは裏腹に溢れ出てくる大粒の涙を見ていれば、どれだけ本気だったのかくらい分かる。でも、言わなかったんだよな。お前は今日の事を知っていたから言えなかったんだよな。忘れられるって知っていたから、無理にでも胸にしまうしかなかった。
愛し合っている中でもし今日が来てしまったら、今以上に苦しい思いをしなければならなかったはずだ。求めれば近付ける距離にいるけれど、もしまた愛してくれなかったら。愛しているという気持ちが焦って、早く思い出してほしいと詰め寄って逆に嫌われてしまったら。色んな考えが過った結果、友達としての距離が1番苦しまずに済むって思えたんだよな。

「エレナードの前では泣けないよな」

好きだからこそ拒めないエレナードの気持ちを利用するのは無理だよな。愛されてもいないのに頼られる辛さを知っているからこそ、利用したくないよな。
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