絶対に守るから。
最終章・日常はそのまま

まぁ、そうだよな

もう朝か。習慣、付いていけないな。また立ちながら仮眠程度にしか取れていない。城にいた頃とは違うし、今は頼れるウィルがいる。だから、もう四六時中気を張っている事は無いというのにどうして気を抜くとすぐに動ける体勢を取っているのか。

「エレナード!!」

自分の頭の固さにため息を吐いていると、二人はいつにも増して大きな声で俺の名前を呼んでいた。けれど、呼んでいたのは俺の部屋の扉を開けてから。大きな声を出さなくても充分に聞こえる距離でだった。でも、なぜか興奮している二人には距離など目に入っていない。それどころか、お嬢さんは父親に久しぶりに会った幼い子供のように抱き着いてきたものだから、俺の鼓動は早まる一方だった。
心臓が破裂してしまわないためにも離れてほしいと思うが、離れてしまってはしまったで切なくて。何とも言えない感情が俺の中でああだこうだとうるさく口喧嘩していた。
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