絶対に守るから。
まるで、本人が俺に知ってほしくないとでも言っているかのように罪悪感が増していた。俺は本当にリオディナの口から聞いても良いのだろうか。本当は彼女が自分の口から言えるように努力しているのではだろうか。
彼女に限ってあり得ないか。俺の考えすぎだよな。でも、もし考えすぎではなかったら俺は彼女を傷付けた事になるんじゃないのか。

「初めて守ってくれたんですって。初めて自分を守ってくれたのが、あんただったんですって」

彼女を守った事なんてあったか。襲われそうになっていた所を見掛けて追い払ってやった事は何回かあったけれど、それは知り合ってからだろ。城に来た後だって専属の兵士なんだから姫である彼女を守るのは当たり前の事だ。彼女が俺に執着する理由になっていない。また振り出しに戻ったな。だって彼女は助けただけで好いてくれるほど単純じゃない。
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