絶対に守るから。
母親の罪のせいで心身ともに暴力を受けている彼女を助ければ、自分にとばっちりが来る事は分かっていたはず。元国王のレンでさえ両親の敵である魔女の娘だと言って、友でありながら相談されても一緒に悩むだけだった。

「親は親、あいつはあいつです。何もしていないあいつが苦しんでいるのに見過ごせるわけないでしょう。俺はあいつの友達なった時から一緒に苦しむ覚悟は出来てます」

まだ子供なのに俺の目を真っ直ぐ見つめ、はっきりと言ったんだ。訳も分からず苦しんでいる彼女を助けるのは友として当たり前だと。
孤児院でずっと一人、老若男女問わずいじめられてきた俺にはいなかった友という存在がそこまで凄いものなのか。ハウラムを見ていると彼女の母親の思いを思い出した。ただ死なせなければ良い訳じゃない。彼女が幸せにならなければ俺を生かした意味がないんだと。
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