絶対に守るから。
俺はずっと彼女を見てきた。彼女が生まれた時、俺も生まれ変わった。彼女の母親に彼女が死ぬまで生き続けるという魔術を心臓が止まる直前にかけられ、俺は一面をとりとめた。
死刑だけでは済まされないほどの罪を犯した彼女の母親は、生まれたばかりの彼女のそばにいる事が出来なかった。だから彼女がちゃんと生き、寿命で死ねるように俺を生かしたんだ。半永久的な命をあげるから自分の代わりに守ってくれと。
子供の世話なんてした事がなかった俺は遠巻きに見守っているだけだった。母親の罪のせいでいじめられても、罵倒されていても。俺も同じような世界で生きていたからまだ助けるほどでもないと思っていた。殺されそうになったり、自殺しそうになったりしない限り手は出さなくて良いと思っていた。でしゃばるのはごめんだった。
ただ、俺の考えはハウラムと彼女が出会ってから変わった。ハウラムに彼女を暴力から助けるという地獄の道を自ら進んだのか訊いてみたんだ。
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