絶対に守るから。
姫様の口から聞いたのは何度目になるのかしら。何かある度、姫様の口からはハウラムの名前が出てくる。出てくる度に私の胸は締め付けられるのになぜハウラムの名を呼ぶの。
胸の奥が苦しくなって耳を塞ぎたくなる。ハウラムとの関係を壊してしまいたくなるくらい、理性が飛びそうになる。なのになぜ、私は今でも彼女のおそばにいられるの。
自分でも不思議なの。心の中では何度も二人の関係をめちゃくちゃにしてきたのに、表に出かけた時もあったのに。なのに今、変わらずにそばに仕えている。今まで通り、専属の執事として身の回りのお世話をさせて頂けている。まるで、誰かが仕組んでいるかのよう。

「まぁ、あいつとの約束なら守っていて損はないだろうな」

ゾーラ医師でさえ信頼を置くハウラムが憎い。彼女に一番笑顔を向けられているハウラムが憎い。憎いはずなのに、なぜ心の底から憎めないの。
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