絶対に守るから。
彼女の体と自分の体が密着している事実が私の顔を真っ赤に染めさせた。女への免疫がないわけではない。他の人であれば混乱する事も顔が赤くなる事もなかった。
“姫様だから”。彼女だから私は一つ一つの行動に振り回されているのよ。

「すまんな、お嬢ちゃん。大丈夫か?」

「んー、大丈夫・・・じゃない・・・?」

そうよね。普通ならはしごから飛び降りて彼女に謝ったゾーラ医師のように大丈夫かと無事を心配する所なのよね。鼓動を早まらせている場合じゃない。なのにどうして収まってくれないの。危険な目にあったというのにドキドキして次の展開を期待しているなんて彼女に知られたら。私はどんな顔をして彼女に仕えていけば良いの。
頭の中が混乱している私の目の前で手を振る姫様は複雑そうな表情をしていた。もしかして私が姫様に恋している事を気付かれた?顔が赤いから?それとも鼓動が早いから?
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