Deal×Love
「洸君、お願いだから、アリサの前ではやめて……」

二人で暗い夜道を帰る途中、私は言った。

「でもさ仕方ない。俺は椿のことが好きってアリサは分かってる。俺は伝えたわけ」

「だからってーー「じゃあ椿は海のことは何もしないんだ」

え?

「それなら安心した」

そう言って私の手を勝手に握る洸君。

否が応にも一気に速まる鼓動。

「ちょっ!手っ!」

「今日は傷心してるわけじゃないから繋ぐ」

「あの日だけだったの!?」

「そりゃそうだろ。ずっと大人しく居るわけないじゃん。あんな泣いてるところで優しくしたら誰だって心が傾くじゃん」

「離してー!」

私はブンブン手を振り回すが、洸君の手は離れてくれない。

「早く俺に落ちろ?ラクになるぞ?」

洸君はニコニコしながら私の手を握っていた。
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