Deal×Love
夜の九時過ぎに家に帰ると、今日もいつも通りの静寂。

私は真っ先に冷蔵庫を開ける。
ひさ子さんには今日はアリサとバイト前に早めの夕食を食べたので、私は晩御飯は要らないと伝えている。
でも海さんの分は毎日作ってもらっている。
要らないなんて言って、ひさ子さんに怪しまれたらいけないから。
いつも海さんの晩御飯をゴミ箱に捨てるのが日課になっている。

好きだと気付いてから、この家に一人ぼっちで居るのが辛い。

彼は私に会うために帰ってくるわけじゃないし、それどころかあれから会うことすら無い。

こうやって食事を捨てていると私は一人なんだと思い知らされる。
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