Deal×Love
手を繋がれる、逃げよう。と思った瞬間、


「ダーメ、流石に不倫は戴けない」


ぐいっと手を引き寄せられた。
海さんに。
「きゃっ」と声が口から漏れて、引っ張られた反動でよろめきながら海さんの胸へと倒れ込んだ私。

突然近くなった海さんの香水と体温。
私の鼓動は一気に跳ね上がる。
それに目の前にはアリサと洸君が居る。

「ひゅ~う、海さんやるぅ~」

アリサは暢気。

「っんな!椿に触らないから離れろよ!」

洸君は吠えながら海さんを睨んでいる。

「それなら離れる。でもお前が勝手に触ろうとしたんだからな」

海さんは余裕そうな声で話しながら私から離れた。

穏やかな顔の海さんを睨む洸君。

まだ園内にも入っていないのにこの状態。


この先、大丈夫なのだろうか……。
< 296 / 424 >

この作品をシェア

pagetop