Deal×Love
「終わり」

そう言うと視界の中に今度は洸君の手が入り込んできた。

この兄弟は手を繋ぐのが好きなんだろうか。


「手を出して」

手を眺めていたら洸君が言った。


どうしよう。

洸君を呼んだのは、私。

でも、こうなることも想定出来ていた。

だが、私には迷いがある。

あんな目の前で、弥生さんを選んだ海さんを見ても、まだ好きだから……


『ドーン……』


その時、車が行き交う音や人の雑踏を越える重低音が、遠くから夜空を渡って耳に届いてきた。
私の迷いを掻き消すかのように。
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