Deal×Love
何で、電話……?

海さんは弥生さんを選んだのに……。

目に入った画面の隅に表示されている時刻は、あの待ち合わせからもう一時間以上は経っている。

話すことなんて何も無いーー……あ、


もしかして、離婚の話……?


そこまで考えた時、突然手の中から携帯が消えた。
洸君が私の手の中から勝手に携帯を抜き取ったから。

「俺が出る」と私の顔も見ず、返事すら聞かずに、洸君は画面をスライドさせると携帯を耳をつけた。


「もしもし洸だけど、椿はもうそっちの家には帰らないから。俺と付き合うから」

洸君はすぐに捲し立ててそう言うと、携帯を耳から離し、画面を押した。
返事すら聞かずに通話を終わらせた。


「これで良かった?」

先程から固まったままの私の手を掴むと、その手に携帯を掴ませた洸君が言う。

私はそれに小さく頷く。
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