Deal×Love
「お世話になりました。もう二度と此所には帰りませんから」


そう言って私は踵を返すと桜の手を握り、広間を出た。


「荷物を纏めて」

長い廊下を歩きながら私は桜に伝える。

「何処に、行くんですか……?」

少し戸惑ったような声。
先のことが不安なのだろう。

「アリサのところに行こう」

「御母様はどうするんですか……?この家に御父様と二人きりにするんですか……?」


母のワードに怒りがまた沸々と沸き上がる。


「どうもしない。父と同罪よ。貴女の結婚だって止めようともしないんだから」

私は冷たく言い放った。
桜はそれに小さく「……そうですね……」と呟いた。
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