Deal×Love
「私も着替えるわ。着替えたら桜の部屋に来るから」

「わかりました」


桜を部屋に送り届けてから自分の部屋に早足で向かった。

静かな大理石の廊下に下駄のカランコロンと響く音が、胸にズキズキと痛みを伴わせる。

久々に入った自分の部屋のベッドに真っ先に着ていた浴衣を脱ぎ捨てた。

買う時、海さんがどんな色が好きかな?とか、似合うって言ってくれるかななんて、ウキウキしながら悩んでた自分がバカみたい。

傷付いて涙を流している自分がバカみたい……。


ぐいっと涙を拭い、クローゼットに僅かに残っていた服をトランクに詰め込む。

結婚の時に全部服を持っていかなくて良かった。
だってもう二度とあの家には取りに行けないし。
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