Deal×Love
「お父様は何がなんでも結婚させるって言ってるから、契約的な結婚をしてくれるなら乗らないわけにはいかない」

私がそう言うと仕方なさそうに「まぁ確かに」と呟いたアリサ。

「会社の状況、クソ親父に確認したの?」

「してないけど、いきなり十八歳の娘に縁談を持ってきて、私が拒否したら桜に結婚させるとまで言うのはそういうことだと思うし」

「まぁあのクソ親父、プライド高いから素直に会社が倒産しかけてるから結婚してくれなんて言わないか」

やっぱりそう思うよね。

「それより旦那様だよ!」

突然アリサの顔がハッとなる。

「え?」

「やっぱり、イケメンだった!?」

アリサにキラキラした目で訊かれると、あの端正な顔が脳内に甦り、何故か頬が熱くなった。

「……まぁ……」

私が下に視線を落としながら答えるとアリサが言った。
< 40 / 424 >

この作品をシェア

pagetop