Deal×Love
私は暗いまま、真っ直ぐに奥の大きなベッドに向かう。

月を眺めながら腰を下ろすと、ギシリと音を響かせるベッドのスプリング。

夜の静寂は孤独を誘う気がする。

それに月が本当に綺麗に見える。

その時、ふと夏目漱石の言葉を思い出す。

私は好きだとストレートに伝えても伝わらなかった。

美しすぎる月を眺めていたら、涙が溢れてきた。


月が綺麗すぎるせいじゃない。

涙が流れるのは。


夜のせいじゃない。

ポッカリと心に穴が空いている感覚がするのは。
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