Deal×Love
「大丈夫。命に別状は無いよ。それよりも話を逸らすな」

私の考えはバレバレだし、やっぱり止めたことが気に入らなかったようだ。

逃げるなと両頬を掴まれた。
海さんの顔は目の前。
先程よりも近い距離。

目の前の漆黒の瞳は、私しか見ていない。


「弥生にはもう伝えた。二度と会わないと。椿が好きだからって」

海さんの真剣な声。
全部が温かくなる。

さっきまでは世界の終わりだと思っていたくらい絶望していた。

全部が真っ暗闇みたいだった。

でも今は、嘘みたいに幸せで、心は温かくて、全てが明るく見える。

だって海さんは弥生さんがナイフで手首を切ったせいで血がYシャツにべったり付いている状態なのに私の所に飛んで来てくれた。

それに目の前の海さんの瞳と言葉には偽りなんて見えない。

真っ直ぐ熱の籠った瞳で私に縋っている。
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