Deal×Love
目を向けると綺麗な女性が居た。

父の母ということは、お祖母様?
でもなんで祖母だと言わないの……?

「椿さんが困ってるから祖母と言って下さい」

海さんが薄笑いを浮かべている。

「いやよっ!私のことは鈴さんって呼んで頂戴!」

私に必死に訴えるお祖母様。

「椿さん、気を遣わなくて良いから。祖母です」

海さんは呆れた顔でお祖母様を無視して私に言った。

成る程……祖母と呼ばれるのが嫌だから祖母と言わなかったのね。
でもこの方、六十歳は過ぎているはずよね……?
見た目が海さんのお母様くらいにしか見えないんですが。
神島一族ってなんで見た目がこんな麗しくてお若いの。

「では大祖父様に彼女を紹介に行きますので」

お祖母様は海さんの態度に未だご乱心だが、海さんに誘導されて大祖父様のところに行くことに。


連れられて奥の部屋に入ると、暖かい窓際で日向ぼっこをするように膝にブランケットを掛けてロッキングチェアに座っているご老人が。
この方ね、名誉会長は。
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