Deal×Love
「君が、本多椿さん」

鋭く作られた目は、選定するような目。

その目のせいで、一瞬で私の身体にはぴりっと緊張が迸る。


「挨拶が遅れて申し訳ありません。初めまして、私本多椿と申します。至らないところも多々あるとは思いますが宜しくお願い致します」

私は丁寧に頭を下げて挨拶した。


「海、ちょっと椿さんと二人にさせてくれないか」


え。と焦りながらも頭を上げる。

「分かりました」と海さんが答えると、私を申し訳なさそうに一瞥した後、部屋から出て行った。

二人きりは流石に不安だけれど、慌てふためいても仕方ない。
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