あいつとお前と俺。
「善。
どれだけ連絡しても出てくれないね。」




善の父親が自殺をしたことは、
町中に知れ渡り、

知らない奴はいなかった。





同情したり、

心配する奴はいても、



善の事を、変な目で見る奴は

一人もいなかった。





善がそれだけ愛されキャラで、

今まで皆に好かれてきてたからだ。







それでも善は、

学校にも来ないし、

俺と涼子からの連絡にも

一度も対応してくれなかった。








善が学校を休んでからは、

俺は涼子といつも二人で登下校をした。





その会話のなかで必ず、

善の話をした。








「そういえば、あいつの授業の時いっつも善さぁ、…。」

ふと、善の名前を出しては、

あ、と、沈黙する。






俺らにとって善は、

そばにいることが当たり前で、

三人でひとつになっていた。






だから、このままでは

絶対に納得出来なかった。









「涼子。今日も善の家行かない?」




「うん。いいよ。…。でも、また善のママに、今はまだ誰にも会いたくないみたいって言われて追い返されちゃうよ。
この前あんまりしつこく言った時、家に帰ったらあたしお母さんに怒られちゃったし…。」




「わかってる。涼子、俺には考えがあるんだ。」








そして、いよいよ作戦実行!

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