恋愛相談
ひんやりと冷たい教室のなか。
焦げ茶色のボブヘアが、彼女が振り向いてふわっと揺れた。
「それで、さっきと同じ事言うんだけど、どーなった?」
日和は期待の目で私を見る。
この前相談に乗った、紺野日和。野球部の部員、清水樹一に片思いをしている。清水樹一は違う1-3であり、1-4である私たちのクラスでは、一つ隣のクラスということだ。日和は野球部のマネージャーをしており、彼の野球に対する誠実な性格が好きになったとのこと。(本人談)
「日和が聞いてって言ってたタイプのこと、聞いたよ」
私が言うと、日和は目を輝かせる。
「どうだったっ?」
「スポーツが好きな人、だって」
「本当⁉︎じゃあ、タイプに私…入ってるじゃん!」
嬉しそうに日和が言う。
しかし、この言葉には続きがある。
「スポーツが好きな人、だって。彼が好きなのは、千佳だから」
もちろん、後の付け足しのところは言わない。まだ、彼女に期待させておこう、可哀想だけど。
千佳の人気は絶大だ。恋愛相談をしてくる人の相手の三人に一人は千佳が好きだと回答。千佳人気は、ここまで来ると恐ろしい。