2番目に君を、愛してる。
携帯を取り出した新藤さんを横目に兄を見る。
大人しく新藤さんに捕まった兄の目は、私に逃げろと言っていた。
目力の強さは相変わらずだが
目深にツバのある帽子を被り、頰はこけていた。もともと筋肉質な兄は体格が良い方だが、新藤さんに腕を捻られ抵抗するどころか顔を歪めている。
「どこに隠れていた?」
氷のような冷たい目。
荒々しい口調。
ーー優しい新藤さんは、もういない。
私はそっと後退し、
新藤さんと出逢った日に着ていたフード付きコートをタンスから取り出す。
そしてそのポケットに入れてある、あるものを取り出した。
「まるで犯罪者扱いだな」
「逃げ回り、疑われるようなことをしたおまえが悪い」
「何度俺を問い詰めようとも、答え同じだぜ」
「署まで来てもらう」
まるで私の存在など見えていない2人に腹が立つ。
ーー面識があったのだろうか。
「お兄ちゃん、逃げて!」
ただでさえ狭い室内だ。
私が油断している新藤さんに飛びかかることは容易だった。
「ーーーつッ、」
私は、
新藤さんの右ももに、小型のナイフを突き刺した。
あの夜もポケットに潜めていたナイフで、まさか新藤さんを斬りつける未来が待っているとは、
なんて残酷な結末だろう。