2番目に君を、愛してる。
新藤さんは刑事と名乗った。
その同僚と紹介された美崎さんもまた刑事で、驚くことはなにもなかったが、
急に遠い人のように映った。
「ひとり?」
先に車に戻ると、新藤さんは後部座席で携帯を操作していた。
「偶然、万引きした中学生を見かけたみたいで…」
「タイミングが良いというか悪いというか…」
新藤さんは微笑んだ。
先程の電話の威圧的な態度とは違う、柔らかい表情。
「さっきの電話、大丈夫でしたか?」
「うん…上司と少し意見が合わなくてね」
「新藤さんって怪我してるのにあの夜も冷静で、たぶん自分より他人の利益のために動ける人なんだろうなって思ったんです」
子犬の命を優先していた優しい心と、私の部屋を血で汚さないようにしていた配慮。
小さな心遣いであれば意識してできないこともないが、体調が万全でない時には自己を優先することが当たり前なのに。
日頃どれだけ周りを気遣えば、自然と他者を気遣えるようになるのだろう。
「だからあなたの思う通りに進めば良いと思います」
2本買ってきたコーヒーの片方を差し出す。
「ありがとう」
缶コーヒーを渡す時、ほんの一瞬、手が触れた。
「けど、あまり俺を買いかぶらない方がいい。信用しない方が良いよ」
新藤さんはきっぱりと言った。
「下心があって、君に近付いたのかもしれないから」