2番目に君を、愛してる。

クッションの弾力を指で確かめて感心してみたり、愛嬌のある犬の置物を見て可愛いと言ってみたり、少し変わった仕掛けの時計を見て笑い合ったりしてーーどこにでもある雑貨屋にも関わらず、とても楽しかった。


「あ、可愛い。お酒はあまり飲まれないんですよね」


店の奥に綺麗な桜の模様のおちょこがあった。



「なっちゃんが成人したら、一緒に飲めるといいね」


後2年。
刑事という仕事を理解していない私にだって分かる。
2年後もまだ新藤さんが私の見張りをしているはずがないことを。


「私たちの共同生活は後どれくらい続くんですか」


「犯人確保に尽力しているけど、まだ逮捕にいたらなくてね。もう少し待って欲しい」


「あ、いえ。そうじゃなくて。たぶん私がお酒を飲めるようになる頃には、新藤さんとはお別れしてるんだろうなって思って」


急に新藤さんがかしこまって話すものだから、慌てて首を振った。

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