2番目に君を、愛してる。

「なっちゃん、俺はここで待っているから見たいお店を見て来たら?」


隅にあるベンチに座り、新藤さんは携帯を取り出した。


「俺も仕事のメールチェックがしたくて」

「そういうことなら、少し見てきますね!」


男性が入りにくいお店もあるだろうと気を利かせてひとりにしてくれたのだろう。

その好意に甘えて久しぶりに新しい肌着を新調しようとお店に入る手前で、隣りのディスプレイに目がいった。


空色の背景に虹がかかった綺麗だけれどシンプルなデザインのマグカップだ。
その隣りは空にひとつの風船と太陽が浮かぶマグカップだった。

ペアマグカップとしてもお勧めであると店長のコメントが掲載されていた。

今日くらいは良いよね…

新藤さんとお揃いのマグカップでコーヒーを飲むことから始まる朝は、なんて素敵だろう。


迷わずマグカップをレジに持っていく。

ああ、楽しいな。
来て良かった…。

< 80 / 258 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop