お見合いから始まる恋→結婚
12
あれから二日。

あんな事があったのに、尚登からはラインすら来ない。

少しおかしいなと思いながら、私は引っ越しの事もあったので、水曜日の会社帰りに尚登の家に寄る事にした。

その事を尚登にラインを送ったが、既読にはなったものの返信がなかった。

やっぱりおかしい。

私はもやもやしながら、その日を過ごしていた。

「こんにちは。」

私はその声に過剰に反応した。

「こないだの書籍を返しに来ました。ありがとうございました。」

そこにはニコニコとするお兄さんの姿があった。

「こないだは失礼しました。」

私はカウンターの席から反射的に立ち上がって、頭を下げた。

「いえいえ、あれはこちらも悪かったんですから。」

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