お見合いから始まる恋→結婚
私は言葉をつないだ。

「…それはこちらのセリフです。」

私はもう一度尚登さんを見た。

尚登さんの表情は緊張感を醸し出していた。

「陶子さんはもう私に会いたくないのかも…と考えながらここへ来ました。」

思いがけない言葉に私の視線は尚登さんの横顔から逸らすことが出来なかった。

「どういう…。」

尚登さんは私の言葉を遮るように言った。

「少し前にお母さまから直接連絡を頂きました。」

尚登さんはそこで大きく息をついた。

「陶子さんにその気が無いようなので、これ以上誘わないでくれと言われました。」

チラリと尚登さんは私を見た。

でも視線は直ぐに前に戻す。

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