お見合いから始まる恋→結婚
「…てっきりあの日から陶子さんとのお付き合いが始まっていると私自身は思い込んでいました。」

尚登さんの視線は前を向いたままだ。

「陶子さんもそう承知してくれていると思っていました。」

尚登さんは力の無い声で言った。

「尚登さんの中では私達はいつからお付き合いをしている事になっているんですか?」

私の妙に冷静な言い方に、尚登さんは一瞬ビクッとした。

「…ちょっと車を停めます。」

尚登さんはすぐ前に見えてきたコンビニの駐車場に車を停めた。

「よしっと。」

フットブレーキを踏むとシートベルトを外して、尚登さんは私を見た。

私もシートベルトを外して、尚登さんの方へ身体を向けた。

「陶子さん、私はあなたと会った日にお互いに合格点を出したことを覚えていますか?」

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