お見合いから始まる恋→結婚
「そう、俺が陶子の写真を取り上げた。そして紹介者に自分が行くことを伝えてもらった。」

少し得意そうに尚登さんは笑う。

「陶子は兄貴の方が良かった?」

「えっ?」

突然の尚登さんの言葉に私は言葉を詰まらす。

「兄貴の方が社交的で頭が良くて、更に見栄えも良い。それに文学を研究しているから陶子とは話が合うかもしれないな。」

そう言えばお兄さんが借りて行った書籍は中世文学の初版本の写しだった。

「え~と…。」

返事は決まっていたが、それを言うのは少し恥ずかしい。

「俺はそんな兄貴に昔から何をやっても敵わない。だから兄貴にはあんまり早く陶子を紹介したくなかったんだけどな。」

尚登さんが苦笑いをする。

「そうか…、先に会っちゃったんだな。」

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