お見合いから始まる恋→結婚
複雑そうな尚登さんの表情は何だか元気がなくなったような気がする。

「尚登さん。」

私は初めてそんな自信のなさそうな尚登さんを見たような気がした。

「兄貴は自分に自信があるから好きになった人は手に入れようとする。例えその人が俺の彼女だろうと構わずに…。」

「えっ?」

「そして陶子はまさに兄貴が好きなタイプなんだ。」

私はお兄さんと会った時の事を思い出していた。

そうか、元々そういう人なんだ…。

何となく私の中で合点がいった。

「尚登さん、大丈夫よ。私はお兄さんに何も感じなかったもの。」

「ん?」

「だって尚登さんに初めて駅で会った時には、あの喧騒の中であなただって何となく分かったのよ。」

尚登さんの顔に赤みが差す。

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