大江戸ロミオ&ジュリエット
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髪結いが寝所に来た。
朝、髪を整えさせるのは与力の日課だ。
多聞は箱枕に頭を乗せ、目を閉じる。
あとは髪結いに任せた。
やがて、武家らしく左右の鬢を膨らませずに、すっきりと高く結い上げて細い髷を前に垂らした、いつもの本多髷が仕上がった。
「……若旦那、お待たせしやした」
髪結いがそう云ったあと、手際よく道具を片付けていく。縁側で控えていた女中のおせいが、待ってましたとばかりに茶の支度を始めた。
「……あっ、いけねぇ」
うっかり茶筒に茶っ葉を補うのを忘れていたのだ。
「若旦那さま……ちょっくら、すんません」
おせいは慌てて立ち上がり、竃のある土間へ小走りで向かって行った。
おもむろに、多聞は目を閉じたまま髪結いに訊いた。
髪結いが寝所に来た。
朝、髪を整えさせるのは与力の日課だ。
多聞は箱枕に頭を乗せ、目を閉じる。
あとは髪結いに任せた。
やがて、武家らしく左右の鬢を膨らませずに、すっきりと高く結い上げて細い髷を前に垂らした、いつもの本多髷が仕上がった。
「……若旦那、お待たせしやした」
髪結いがそう云ったあと、手際よく道具を片付けていく。縁側で控えていた女中のおせいが、待ってましたとばかりに茶の支度を始めた。
「……あっ、いけねぇ」
うっかり茶筒に茶っ葉を補うのを忘れていたのだ。
「若旦那さま……ちょっくら、すんません」
おせいは慌てて立ち上がり、竃のある土間へ小走りで向かって行った。
おもむろに、多聞は目を閉じたまま髪結いに訊いた。