イジワル御曹司様に今宵も愛でられています

「ああ、お疲れ。あのさ、次の予定までどれくらい時間ある? できたらちょっと何かつまんどきたいんだけど」

「あ、今日私サンドイッチ作ってきてます! そちらでよろしければ今から召し上がりますか?」


 お世話になったスタッフさんたちにお礼を言い、この後の予定を話しながら対談場所のスイートルームを出た時だった。


「羽根木先生、お疲れ様でした」

 ふわりといい香りがして振り返ると、氷見さんが智明さんを追って廊下に出て来ていた。


 うわぁ、氷見さんって間近でみると本当に綺麗。とても私と同じ人間だなんて思えない。

 肌なんて、まるで陶器でできているかのようにツルツルだ。

 智明さんと二人で並ぶと、悲しいけど、やっぱりとてもお似合いだな……。


「氷見さんこそ、お忙しい中ありがとうございました」

 聞けば、氷見さんは人気女優というだけあって、夏から始まる連続ドラマの収録をしつつ、映画のPR活動をしているらしい。来年の大河ドラマの主演にも決定しているという。

 過密スケジュールの中、映画のスポンサーたっての依頼で、今回の対談が実現したらしい。

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